2007年10月06日

いまだ冷めやらぬ興奮

9月27日(木)、私の愛するピアニストのコンサートに行ってきました。
ええもちろんそれはあのお方ですとも。(ぽっ)
曲目はベートヴェンのピアノコンチェルト3番。
ええもちろんそれはそれは素晴らしかったですとも。(ぽー)

彼は、リサイタルもピカイチなのですが(証人:花子ちゃん)、なんせ世界一深みのある大きな音を出せるピアニストですから、オーケストラとの協演はそれはそれはダイナミックでスゴイことになるのです。(証人:moonhighさま)

ピアノは数ある楽器の中でも最も大きな音の出せる楽器の一つ。でも、オーケストラは楽器数が多いので、協奏曲でオケがフォルテッシモを忠実にフォルテッシモで奏でると、たかだが一台のピアノがいくら大きな音を出しても、その音はかき消されてしまいます。だから通常協奏曲では、オケがソリストを引き立たせるために抑えて抑えて演奏するのです。だ・け・ど、キーシンの場合は、すごく大きな音が出せるから、オケの音もかなり大きく出せるの。

加えて、キーシンは上質の絹糸をつむぎだすようなすごく繊細な弱音も持っていらっしゃる。甘〜い心とろかすような音も出せる。結果、オケもキーシンの音に合わせて、弱音も抑えて抑えて繊細に繊細にそして甘く甘く......っていうようにがんばる。

結果、彼の協奏曲は音の幅がすごくなる。オケもどこまで自分たちが音を極められるのか真剣勝負!花子ちゃん、あのショパンで経験したぐーるぐるの音のうねりが、オケを巻き込んで行われるのよっ。いやあ、すごいよ!鳥肌立ちまくりですよ!

それにしても今回のコンサートは、リハーサルも見せていただき、本番と、そして本人と話をする機会までいただいて、幸せのてんこ盛りでした。人生最高の思い出となったじょー。(感涙)
私がこの世に生きてきたのは、この偉大な天才の音楽に出会い、彼に直に触れ話すためにだったのかしら揺れるハート なんて、気持ちに酔いしれた1日でした。

(そしてその思い出を酒の肴にして、キーシンの音楽を聴きながら毎晩のように酔いしれているそれからの日々。←なぜかここはクラシックというよりは演歌調。あ、でもこれオペラ調でもいけるな:笑。オペラと演歌ってなんか似てるよなぁって思う私ですが、こんなこと言うと正統派オペラファンにボコられるかな。)

キーシンはほんといい人ですよー。ファンにも一人一人すごく丁寧に対応するし。
ポスト・レセプションは23:30までの予定だったのですが、彼は結局は23:15ぐらいまで会場にいました。最後の最後までファンに頼まれては握手してサインして写真とってを嫌な顔せず繰り返してた。

そのレセプション、立食ディナーの形式だったのですが、ディナー中も次々写真を頼まれてしまうので食事ができずに困ったキーシンが途中お皿を持って会場を出てしまった場面があったのです。
「あー、もしかしたら、ご飯も満足に食べられないでいやだって怒って帰っちゃったのかなー」ってちょっと残念に思った私。が、彼はそんなちっぽけな人間ではなかった。外でささっと食事を済ませてすぐに戻ってきて、そして、後はほとんどずっとファンサービスしてたのでした。

あんなに天才で、あなたの演奏は素晴らしいと今まで何度も言われてきているでしょうに、私が、「私、あなたの大ファンです。前回のリサイタルが素晴らしかったから、ロンドンで聴いた後、アムスとトゥールにも行ったのよ」と話したら、顔を輝かせて、「本当?そんなに来てくれたの?有難う!」と言ってくれました。その後であの写真とってもらったのよ〜。うっふふ。

彼は、ものすごく謙虚な人なんです。
彼のリハーサル見せていただいたの、今回で2度目なんですが、前回も今回もオケが休憩のときもひたすら自主練しているんですよ。

こんなふうに。
キーシン 自主練中


前回リハを見たとき、(2年前かな?ベートーヴェンのピアノコンチェルトと1番から5番まで2回ずつ4日に分けてロンドン・シンフォニー・オーケストラとやったときです)、リハのアレンジをしてくださった方が「なんでそんなに練習するの?」って本人に聞いたら、「まだまだ十分じゃないから」って答えたんですって。間違いなく現在彼は世界で一番完璧にベートーヴェンを弾きこなせるピアニストの一人なのに。

今回もコンサートの当日と前日にリハが2回あって(私は当日の午前中のリハを見に行った)、前日のリハの段階でキーシンの演奏が完璧だからと録音も済ませていたにもかかわらず(だからもしかしたらキーシンは当日は公演直前に音合わせには来るだろうけど、午前中のリハには来ないかもよと言われていたにもかかわらず)、この当日午前のリハにも、オケだけの練習が終わった直後に現れ(前半がオケのみ、後半がオケ+ピアノというリハ内容だった)、早足でピアノに向かい、オケの休憩時間中にずーーーーと自主練。ずーーーーと弾きまくり。そしてそのままオケとの合同練習へと突入したのでした。

神様から授けられた才能を持ち、皆に神童だ!天才だ!完璧だ!と言われ続けて育ち、そして今や彼は間違いなくピアニストでは世界中のコンサートで観客動員数No.1でしょう。ても、それでもさらなる高みを目指して謙虚に練習に練習を重ねる。デビューした10歳の頃より、ずっとその姿勢を崩さない。そして、私のような一介のファンにも、超やさしいーーー。

ほんと凄い人ですよ。会えてよかった。そんな人物と同時代に生きることができて、そして彼の生の演奏を聴きくことができて、握手して、話して、腕組んで写真とって...うお〜ん、幸せだようっ!!!


***つけたし***

そうそう、キーシンって、片言の日本語しゃべるんですよ。「どこで覚えたの〜?」っていう質問に、「だって日本でもう12回もコンサートやってるんだよ。このぐらい覚えるよ」って答えてました。
あと、カタカナで「キーシン」ってサインも書いてた。子どもみたいな字でかわいーの。(はあと)

キーシンのカタカナサイン!直筆!
ねっ。かっわいーでしょ!

誰にもおもねる必要のない超天才が、こうやって日本人のファンのために日本語のサインを一生懸命書いてくれるのって、すごく嬉しい!

***つけたしのつけたし***

キーシン ピアノの準備を待つ
ピアノの準備が出来るまでじっと待ってるんだよ。ぼく。早く弾きたいな〜。

自習練風景
ウオ〜。弾いてる弾いてる。神様(ベートーヴェンかも)と交信中!

そろそろオケが戻ってきました
そろそろオケの休憩も終わり。サー・コリン・デービスも出てきたし(中央の白髪のおっちゃん)、コンサートマスターも出てきました(手前でバイオリン弾いてる人)。

リハ終わり
ってことで、もうすぐ合奏スタートです♪

happy birthday colin
これはキーシンは写ってないです。オケだけのリハ風景。
オケがコリン・デービスに80歳のお誕生日おめでとうって言ってるところです。

posted by minira at 02:00| ロンドン | Comment(20) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大きな音を出せるとか、繊細な弱音も持っているとかって、そういうことなんですね。

ますます鳥肌立つ経験したくなりました。
Posted by Luna at 2007年10月05日 20:53
>Lunaさま、
さっきの記事は途中だったの。記事のアップを時間で指定したのに、その前に出ちゃったんです。なので、もしよろしかったらもう一度読んでくださいねー。さっきの三倍ぐらいになってます!(笑)

本文には書かなかったけど、彼はスピードも凄いのよ。はぁ〜。ボキャ貧の私は、彼の凄さをどのように表現していいかわかりませんでしゅ。
Posted by minira at 2007年10月06日 02:16
ボキャ貧なんかじゃないですよ、すごくわかりやすくて面白い文章でした。キーシンさん、日本語で何てしゃべったんですか?その日本語のサインも見てみたいです。掲載希望。
Posted by yas at 2007年10月06日 06:01
日本語で私にしゃべったのは、「またね」だったか、「また会いましょう」だったかでした。他にもちょちょちょってしゃべってたようです。
サインは追加で記事に載せました。見てくださいね。
Posted by minira at 2007年10月06日 07:06
あ、3倍になっている(笑)

おかしいと思ったのよ。
何でキーシンさまの記事がこんなに短いのかしら?って。
後で、じっくり読むからねー
Posted by Luna at 2007年10月06日 09:05
キーシンさん、本当にピアノが好きなんですね。
外国人の書いてくれるニホンゴかわいいですよね。
ファンを大事にするいい人っぽいのが伝わりました。ミニーちゃんおっかけ続けるのよ。読んでて楽しくなりますたからね!
Posted by 青グリン at 2007年10月06日 11:07
あ、増えてる。「キーツソ」とかになってなくて、ちゃんと書けてますね。いいなー。よかったですね。
Posted by yas at 2007年10月06日 16:17
>Lunaさま
未だにSeesaaを使いこなせていない私です。(恥)
後半の「キーシンいい人」の部、長ーくなりましたが、どうぞ宜しくです。(笑)

>青グリンちゃん
人生の新プロジェクトのため、来年10月末にはロンドンを去ることになりそうな私。その前に心置きなくキーシンの追っかけをすることをmoonhighさんと誓いました!(笑)
次のロンドンコンサートは1月24日なんだけど、これは日本への出張と重なるかも。微妙〜。でもとりあえずチケット買っておこうっと!(笑)

>yas兄ぃ
そう、ちゃんと書けてるでしょ。かわいいでしょ。
でも、残念ながらこれは私宛のサインじゃないんです。私宛のは英語だった。お友達が日本語でもらっていたのでいいなーって写真とったのでした。
Posted by minira at 2007年10月06日 17:08
おっと、間違い発見。キーシンのデビューは8歳でなくて10歳でした。
本文直しときますた。
Posted by minira at 2007年10月07日 02:04
miniraちゃん、超うらやまっしぃっす!!

ああ、またあのぐるぐる感を味わいたくなっちゃった。来年の11月にアムスに来てくれるのを楽しみにしてます。

Luna様、鳥肌号泣経験、お勧めしますよぉ〜
そうそう、来年の11月にアムスにいらっしゃいませんか?
Posted by 花子 at 2007年10月07日 21:50
>花子ちゃん
あのぐるぐる感、鳥肌号泣体験、癖になるよね。できることなら何度も経験してみたいよね。音楽聴いてあんなふうになるなんて、私たちの心と体って不思議だよね。そしてあんなふうに心の琴線に触れる音楽に出会私たちってラッキーだよね。

来年の11月は...ああん、私多分もうロンドンにいないよ。残念。いればアムスに間違いなく行くのに。
ま、その前に追っかけしまくりますです。(固い決意!:笑)

>日本の皆さま
キーシンは2009年の4月に日本に上陸いたしますですよっ。
Posted by minira at 2007年10月07日 22:33
素晴らしいと思える人と、同じ時代を生きている喜び。ましてその人と同じ時間に、空間に、いられた一瞬は、どれだけ貴重なものか。

いやー、それは恋以上のときめきですよ。
恋なんてなまやさしいもんじゃないんだ。(何故か力説)
ええ、追っかけましょう!地の果てまでも!!

それにしても記事を読む限り、もはやキーシンは「天才」どころか人間を超越した何かの生き物のように見えます。凄い人ですね。

うーん、2009年日本上陸、鈴木も聴きに行ってしまうかもしれないなあ。。。
Posted by 鈴木 at 2007年10月07日 23:41
>鈴木さん
ええ、追っかけますとも!!オー!!

私、キーシンは神の子だと思っているんですよ。あんな素晴らしい音楽を奏でられて、あんなに心が綺麗なんだもの。神様だよ。英語と日本語しゃべってて人間ぽかったけどさ、きっと神様。

貴神教の神主ですから、あたくし。

「いつも謙虚な心を持って、貴い神の奏でる音に耳を傾けなさい。そしてあなたの心の中をじっとのぞいてみるのです。答えはそこにあります。あなたの心の中からおのずとその答えは出てくるのです」

...なんて、どうでしょうか。いけてませんか?

来年の夏キーシンはスイスとドイツでやりますよ。2009年まで待たないで来年、どうよ!
Posted by minira at 2007年10月08日 01:31

ねねね、花子ちゃん、ほんと、キーシンは神様が奏でるような音楽を奏でるよねっ。
Posted by minira at 2007年10月08日 03:02

うん、神様が彼の身体を使って天上の音楽を奏でてるって感じ。本当に、演奏を通じて神様に触れられるような感動よね。

Posted by 花子 at 2007年10月08日 03:40

ほんとに、そうなのらよねーーー。ほんとにほんとにそんな感動を与えてくれる人よねーーー。
Posted by minra at 2007年10月08日 03:53
わ、miniraさん、いい「気」が充満してますねー。感動出来るってスバラシイ。知識と感性が備わってるんだと思います。miniraさんがいつもパッと明るいのはそのせいですね。
それにしてもキーシン、リハの姿もすごい気迫が感じられます。
Posted by カブ子 at 2007年10月09日 12:20
>カブ子さん、

いい気出てますか?それはいい気がします!なんちゃって。でも、ほんと、いいこと言ってくださって有難うございます。嬉しいです。
キーシンのこの姿は、リハの休憩中の姿なんですよ。休憩中でもなんでもピアノを弾くときはいつでも彼は音楽の神様と対話しているんだろうな。
周囲がざわついてたり、人がごそごそ動いていたって全く関係ないんです。すごい集中力。

実はキーシンは大きい人だったのでした。私と一緒に写っている写真は、私がチビだからキーシン大きく感じるのかな...と思ったのですが、私の友人の大きめのスペイン人と一緒に写っている写真でもキーシンかなりでかいので、ああ、この人大きいのだなと、今更気付いた私です。当日は気持ちが高揚しすぎてて冷静にサイズなどわからなかったです。(笑)
Posted by minira at 2007年10月09日 21:21
みにー、いいもの見せてくれてありがとう。開演前のホールの雰囲気って大好きなんです。
キー神はピアノにかぶりつくようにして弾いてますね。こんな人のところには絶対に音楽の女神様が降りてくるんだろうと思いました。
片仮名「キーシン」の最後のくるりん!とした感じがかわいいですね。
2009年? やすえ中1、珠代小5の時かぁ。いい感じだ。生キーシン聴きます。西へも来てくれるかな。
Posted by 麒麟 at 2007年10月09日 23:22
>麒麟さん

開演前のホール好きでしゅか?それなら、麒麟さんのために特別放出!お友達が画像送ってくれたの。私の写真より写りがいいのがたくさんあるので、記事の最後にべたべた貼ります。楽しんでください。
動画で、録音もしているの。
ディスクに落としてお送りしませうか?
Posted by minira at 2007年10月10日 03:36

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